ダーリンがテレワークで、おウチにいるようになりました。息子の部屋が空いているので、書斎も二つ作れて、おかげさまで我が家はテレワーク環境的には、バッチリで、「家を出てはいけない」と言われるので窮屈さを感じるものの、この生活もこれはこれで悪くないなぁ、と思い始めています。
こんにちは。
みずがきひろみです。
今日は、床の話です。キッチンの床、です。
今の家に越してきたのは、14年ほど前のこと。そのときにキッチンの床に敷かれていたタイルがすごくステキで、私は大好きでした。
マットな乳白色の地に、ほんのりテラコッタやベージュやセピアっぽい色がマーブルのように混じる、温かみのある大判の石のタイル。
大好きでしたから、それこそお台所を使うたびに、最後に、水拭きしていました。すぐに汚れましたが、水拭きすればスルッと落ちてくれたので、あまり苦になりませんでした。
ところが、欠点もあって、脆かったのです。ちょっとグラスや、瓶を手を滑らして落とすと、タイルが割れてしまうのです。綺麗なタイルに、ビビッとひびが入るたびに、私もハートブレイクを起こしていました。
大好きだったので、2回ほど、ひび割れたタイルたちを交換したりもしました。
でも、キッチンを使うのは、毎日のことなので、キリがないんですね。本当は、床に適した素材ではなかったのだと思います。しまいには、ひびを見て見ぬ振りして、生活するようになりました。
かれこれ3年前、洗濯乾燥機が壊れ、それをキッカケに洗面所をリフォームすることになり、さらにLED化しよう、工事のために壁紙を貼り直す必要があるなら、カーテンも破れているから新しくしよう、と次々と手を入れたくなって、結局は家の中をすっかりリフレッシュすることにしたのです。
そうすると、この床のひびが気になるわけです。
大好きだから、同じタイルで直したいけれど、すでに在庫がありません。
「似た色みで、もっと強度のあるものを提案させてください」。
インテリアデザイナーの言葉に、しぶしぶ頷いたのでした。
でも、なんです。
この新しい床タイル、前のタイルと比べて、ちょっと色味がくすむんです。そのちょっとのくすみが気に入らない、のです。
触感が、前のタイルと比べてザラザラしているんです。それも、、、。
そして、水拭きしても、前のタイルほど、スルッと汚れが落ちない!
なんとも愛しにくいわけです。心が躍らないせいもあって、あまり手をかけなくなりました。
「僕、床を拭いているしさぁ」。
そんなダーリンの一言で、そう言えば、私は拭いていないなと思い出して、たまにはやろうかと雑巾を取り出して、キッチンの床にしゃがみ込みます。
ふむ。案外、素直に、汚れが落ちるではありませんか。
「かわいい、かも」。
拭き終わる頃には、このタイルをイヤだと思っていないことに気づきました。
「確かに、前のタイルに比べて丈夫だし、安定しているから、キッチンで立ち仕事をしていても疲れにくいかもしれない」。
このタイルのいいところも、見えるようになっています。
そうか。
前の床タイルが大好きすぎて、たくさんひびを入れてしまったハートブレイクが手放せていなかったのかもしれない、と気づきました。
「前のタイルが好きなのに」と執着していたから、新しいものも「いい」ものなのに、受け入れられなかったのですね。
やっと「前のタイルの脆さ」にあきらめがついたから、「今のタイルの頼り甲斐」も受け取れるようになったみたいです。
愛着があるから手をかけるし、手をかけるから愛着がわくしで、時間とエネルギーを注いだものを手放すのは、難しいですね。
3年もかかっちゃった。
それでも、やっと、今、目の前にあるタイルを愛おしいと思えるようになって、ホッとするような、ちょっと嬉しいような気持ちです。
あなたが、本来のあなたらしさを生きることで、人生を楽しめますように。
今日も、幸せ。明日も、幸せ。そんなずっと続く幸せを手にできますように。
love and abundance,
みずがきひろみ