「自分」がわからなくなるとき(2)~「べき」が「したい」を覆い隠す

前回、「自分らしさ」というものはなかなかわからないもので、むしろ、人は、一生をかけて「自分らしい自分」になる生き物なので、のんびりと「自分探し」をしましょう、というお話をしました。とはいえ、毎日、問題が山積みだったりもして、実際のところは悩みが多く、この辛い状況から少しでも早く楽になりたい、というのが本音ってものです。

今回からは、「どうして自分がわからなくなるのか」、そんなときの「自分探し」のヒントをご紹介していきますね。

クライアントさんのお話を伺っていると、よく「こうすべきじゃないかと思う。」とか、「それはやるべきじゃない。」とおっしゃるのを耳にします。たくさんの「何かをしなくちゃいけない」「やるべきでない」に縛られて、いかにも身動きがとれなくて苦しそうです。

人は、社会の中で、多くの他人と心地よく生きるために、「あいさつ」などの礼儀作法や行動の指針となる善悪の価値基準をもっています。いわば、人づきあいの「ルール」のようなもので、それにのっとって行動している限りあまり攻撃されることはないので、本来、それはとても便利なものです。

でも、これがあまりに多いと、「ルール」を守ること自体が目的のようになってしまい、他人の目からは「いい人」に見えても、いつも自分を「他人の目」で縛っているので、自分が本当は何を感じ、何をしたいと思っていたのかがわからなくなります。人とラクにつきあうための「ルール」だったはずが、こうなっては、逆に、人づきあいなんて面倒でごめんこうむりたくなってしまいます。

また、たくさんの「べき」で、自分の気持ちや行動を規制していると、自分はそのつもりはなくとも、ついつい他人のことも「べき」で判断してしまいがちです。すると、周りの人のやることなすことが癇に障ったりします。自分に許していないことをすぐそばで平気な顔でやられると、誰しもいらいらしますね。何故だかわからないけれど、自分が怒りっぽくなっているなぁ、と感じたら、ちょっと振り返って、自分の増えすぎてしまった「べき」で自分が窒息死していないかチェックしてみてください。

「べき」の山の下に埋もれて見えなくなってしまった「したい」の中に、あなたの才能、楽しみ、喜び、生き生きとした魅力が眠っています。まずは、思い切って、「べき」を減らしてみませんか?あなたの「したい」を掘り起こして、あなたが忘れていた魅力をとりもどしませんか?

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この記事を書いた人

みずがきひろみのアバター みずがきひろみ 心理カウンセラー

カウンセリングサービス所属心理カウンセラー/神戸メンタルサービス講師・トレーナー。外資系投資会社で20余年株のアナリストとして活躍。自身の離婚問題をきっかけに心理学を学び始め、2008年からカウンセラーとして活動する。13年で8,000件以上の個人カウンセリングを実施、グループカウンセリングや大人数の癒しのワークショップも多数開催している。著書に『母の呪縛をといてありえないほど幸福になる方法』(河出書房新社)がある。

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