「自分」がわからなくなるとき(3)~「成功」が「失敗」の始まり?

よく「失敗から学ぼう」と言います。私たちは、失敗するとひどく落ち込んでしまい、「あの人のせいでこんなことになってしまった」とつい人のせいにしてみたり、「なんて私はバカなのか!」と自分を罵倒したあげく、「どうせ次もうまくいくわけがない」といじけて、「何をやってもうまくいかない私は最低だから生きている資格もない」という超飛躍のある論法で自分にダメ出しをしたりしがちです。「失敗」は「学ぶ」ためにあるもので、反省をしたら、「失敗」を手放して、そこから得た「学び」を活かしましょう、と私たちカウンセラーは、「失敗」を手放すお手伝いをします。でも、今日、私がお話ししたいのは、むしろ、「成功」を手放すこと、なのです。

「成功」体験は、私たちに自信をくれます。「うまくいった」「できるんだ」という感覚はまた、次にチャレンジする勇気をくれるので人生に好循環をもたらしてくれることが多いです。しかし、それだけに、その同じ「成功」戦略が、何らかの理由でうまくいかなくなったとき、深い混乱に陥るのではないでしょうか。子供のとき、「ねぇ、やってぇ」と甘えると「かーわゆい!」と周りの大人に喜ばれたのが、大人になって同じように擦り寄ったら、「アホかぁ」と邪険にされたとか、逆に、少女時代に「あたし、できるもん!」と威張ると「偉いねぇ」と褒められたのが、大人になれば「生意気じゃん」とバッシングされたとか。例があまりに極端ですか。

もし、あなたがいつも「頑張る」ことで難局を切り抜けてきたとしましょう。そのたびに、「偉いね」とか「さすが」とか、尊敬を集めてきました。ところが、ある時をさかいに、あなたが頑張れば、頑張るほど、問題が増えていきます。あなたは、これまでも、「頑張ればなんとかなる」という成功原則で問題を解決してきましたから、「もっと頑張らなければいけないのだ」、と考え、自分にムチを打って頑張ります。でも、ダメ。もっと酷くなります。もっと頑張る。するともっと問題が増えます。混乱、徒労感、自信喪失。成功した経験がある分、さらに深く自尊心が傷つきます。「足りない」と思うばかりに自分が頑張りやだということすら見えなくなってしまいます。でも、ひょっとしたら、そのとき、あなたの周りの人は、あなたを助けたかったのかもしれません。頑張るばかりで、「助けて」と言わないあなたに、周りの人たちは、あてにされない悲しみを通り越して怒っていたのかもしれません。

困ったことに、「成功」がベースにあると、なぜうまくいかないのか気づきにくいのです。ついつい、私たちは、一度大成功したやり方に固執してしまい、「今、ここ」の状況ではそれこそがうまくいかない理由だとは思い及ばないのです。それまで自分の長所だと思っていたことも自信がなくなり、無用な自分いじめに浸りこんだりします。そうなるとせっかく「自分」にはもっと違う素質もあるのにそれを使いきれなかったり、そればかりか、もともと輝いていたあなたの魅力すら、自分で封じ込めてしまうことになります。

「成功」があなたの才能を縛ることだってあるのです。「自分」のもてる才能を十二分に発揮するために、「成功」を進んで手放していきませんか。

2月の待機スケジュールを出しました。詳しくは、事務所にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

みずがきひろみのアバター みずがきひろみ 心理カウンセラー

カウンセリングサービス所属心理カウンセラー/神戸メンタルサービス講師・トレーナー。外資系投資会社で20余年株のアナリストとして活躍。自身の離婚問題をきっかけに心理学を学び始め、2008年からカウンセラーとして活動する。13年で8,000件以上の個人カウンセリングを実施、グループカウンセリングや大人数の癒しのワークショップも多数開催している。著書に『母の呪縛をといてありえないほど幸福になる方法』(河出書房新社)がある。

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