今、花が見頃の河津桜。
twitterなどでも、朝の散歩道で出会った河津桜レポが流れるようになりました。可憐な花を見ると自然と微笑みたくなります。ソメイヨシノよりちょい大きめで、ピンクが濃くて可愛い色合いが、女性好みかも。
桜が大好きで、サラリーマンから足を洗った翌年、翌々年くらいまでは、桜前線「追っかけ」を気取って、桜の季節に毎週のように花が咲いていそうなところに出かけていました。来年は、ダーリンも定年を迎えているので、時間がさらに自由になったら、もう一度、お花見ツアーに行きたいわ、コロナ次第ですけれど。
河津桜は、日本の野生種のオオシマザクラと暖かい地方に咲くカンヒザクラとの自然交配種、つまり恋愛結婚により誕生した品種。最初から話がロマンチック、なのです。
川っぺりの雑草の中で1メートルくらいに育ったところを、偶然、見つけてもらい、引っこ抜かれ、庭先に植えてもらい、そこで育ったのだそうです。川で拾われた桃太郎のようなお話!
この原木を見つけて育てた方は、花がつくのを見届けてお亡くなりになったとのことですが、1メートルくらいのヒョロヒョロの木が、よくこんな美しい花を咲かせると見抜いたものだ、とその意図の方にワクワクしてしまいます。後になって、この木が雑種起源だとわかり、カワヅザクラと命名されたそうです。(参考/ウィキペディア)
その原木からとった枝を町の人々が川辺に植えて、今では、毎年、両岸沿いに美しい河津桜の並木がずーっと連なり、海へと河を見送ります。
こういうお話を聞くと私はウキウキしてしまうのです。
だって、雑草の中にあったんでしょう、この原木?サクラっぽかったかもしれませんけれど、抜いて、自分の庭先に植えるなんて、どんな植物マニアかしら?
しかも、それが町のお宝になるような木だった、なんて!
気がつけば、日本固有種だ、ってことになって、これはサラブレッドじゃないか!では、みんなで楽しめるように増やそう!
みんなで、植えて、植えて、河の両岸に濃いピンク色の花が咲き誇る、美しい景色を作り出したのでしょう?たった1本の原木から。
今年は、コロナの流行もあって、桜祭りも中止、お花見自粛を呼びかけたことから、人出こそありませんが、例年、電車も押し合いへし合いで、車でも河津へ行く道はとんでもなく渋滞する、とか。屋台が連なり、動けないほど人が押し寄せる、と聞き、それって花咲か爺の物語を地でいくなぁ、と胸が熱くなりました。
原木を庭に植えた時、そんなこと、きっと想像もしていなかったのではないかしら。
後から見ると、すごいリーダーシップですけれど、本人にしてみればちょっとしたインスピレーションにすぎなかったのではないでしょうか。
ちょっとした自分の楽しみ。自分の喜び。そんなものだったかもしれません。
自分が楽しいから、自分にとっての喜びだから、家人も喜んでくれるかもしれない。そんな気持ちだったかもしれません。
それが、結果的に、時を超えて、町の人を喜ばせて、町を超えて多くの人を呼び寄せて喜ばせることになるー。
大河ロマンも、小さなインスピレーションから。
今日は、どんなインスピレーションを大切にしてみましょうか。
今日も幸せ。明日も幸せ。そんなずっと続く幸せを見つけられますように。
love and abundance,
みずがきひろみ