こんにちは。
みずがきひろみです。
皆さまは旅行に行くときにどのくらいその街や歴史について前もって勉強されますか?
お恥ずかしいながら、私はいつも一夜漬け未満で、一人ならば、空港の本屋さんで何冊かガイドブックを買って、往きの飛行機の中でそれを読み漁ります。
それに対して、ダーリンは、出発の数週間前には本屋さんで目ぼしい本を見つけて、その国の歴史を学び、時間があれば言葉も学び、見るべきところ、食べるべきものを洗い出しては、ベストのロジを考えるタイプ。
二人で旅行となると、自ずと、極楽とんぼのヨメのためにダーリンが「いつも準備は僕がしている」ということになります。ホント、お世話さまです。
このGW後半、ホイアンに行くと面白いかも、と思ったのは私ですが、例によって食べることとお土産を買うことしか考えていませんから、ダーリンが喜びそうな歴史と文化を辿る博物館ツアーとかは頭をよぎりません。
でも、このホイアンという街、すごくインスタ映えするレトロな色気のある街なんですね。大きな河から海に通じていて、昔から商流のあった地なのは見てすぐわかる風情なのです。黄色の壁にブーゲンビリアが咲き溢れて、とても可愛らしい。フランスの植民地当時のフランス人の意向だったそうです。南欧のイメージかしら。
街全体で、夜になると提灯を、軒先、そして道を渡すように飾り、それはそれはレトロな大人のテーマパークになります。
ホイアンでの最後の夜、お土産をゲットすべく夕方にお散歩に行きました。私が探していたのは、ちょっぴりアートな小さなノート。なんてことない白紙のノートなのですが、日本ではあまりないテイストのイラストが可愛いなぁ、と思って。ところがガイドブックには通りの名前だけで、店の名前も、住所も書いてない。「なんとなくここら辺」を探しに行く、という宝物探しのワクワク感。
途中、コーヒーの焙煎屋や服地やさんが並ぶ通りに、貫禄のある古い商家の門構えの前でダーリンの足が止まります。
「ちょっと見ていこうよ」。
そうよね。お買い物ばかりじゃなくて、ちょっとは街の歴史に触れたいですね。
最初は、どこにでもありそうな中国系の商家じゃない?って思ったんです。どこか京町屋にも通ずる、うなぎの寝床のような、間口が狭くて、縦に長い、アレ。
「300年くらいだよ」とたどたどしい日本語で家人が教えてくれます。「中庭、格子戸、日本と同じ」。
ホント。京町家を見ているみたい。
ん?奥で人がご飯を食べている?
「住んでる人が食事をしているんだろ?」とダーリン。
食事中の人たちを横目に、さらに奥の部屋へと「いいのか?」と思いながら入っていくと目のクリッとした女性が、ワンタンを包みながら、
「あなた、ご飯を食べに来たの?」
と聞きます。
「ご飯?」
「だって、そのガイドブックを持っているじゃない。私、その本にのってるよ」。
ええーーーー????
もう一度、彼女の顔をマジマジと見てみると、
あああああーーーー!!!!
失礼だけれど、思わず指をさしながら、「あなた、いた!のってた!」と叫ぶと、彼女はニッコリと笑いながら、
「そうそう。そして、こちらがマーボー」と「お母さん」を紹介してくれました。
ホイアンには、ホワイトローズという名物料理があって、米粉で作った薄い皮で、エビや豚のミンチを包んで蒸した、蒸し餃子というか蒸しワンタンのようなものなのです。この薄くてモチモチした皮を作るのに特定の井戸の水が必要らしくて、ホイアンでも3家族しか作れない、しかも、皮は1カ所でしか作っていなくて、すべてのホワイトローズは、ここが卸売りしている、と言います。
私がそのとき手に持っていたガイドブックには、この工場を持っている家の先代の長女が、歴史的建物の奥でひっそりとホワイトローズを作って観光客に食べさせている、という記事が載っていたのでした。
昨日の夜、ベッドの中でガイドブックを見たときに、「これ、面白いから食べてみたい 」と思ったけれど、その歴史的建物を探すのが面倒で、まぁいいことにしたんだっけ。(←あきらめが早いタイプ)
まさか、まさか、知らずに来ちゃったよー!
ダーリン、この建物を見たいっていってくれてありがとう!!!
「で、食べる?」とお姉さん。
「食べます、食べます。ホワイトローズ、食べます!」。
本家のホワイトローズよりも美味しいとされるホワイトローズ、図らずもいただくことができました!パートナーの言うことには、従っておくものですね。
それにしても、
この「お母さん」が福顔で、何も話さなくても、この笑顔を向けられただけで癒されます。どんな人生だったのかはわかりませんが、数え切れないほど多くの人をこの笑顔で迎え、幸せを祈りながら見送ってきたのでしょう。
あと10年、出会う方たちの幸せを祈り続けたら、私も、こんな素敵な笑顔の持ち主になれるかしら。
love and abundance,
みずがきひろみ